ゲストハウスプレスー日本の旅の、あたらしいかたち。

 

Neighborhood Stay〜近所に泊まろう大阪番外編 #7 神戸ゲストハウス萬家(MAYA)

なたは旅は遠くに出かけるもの!と思っていませんか?家から近くても、いつもと違う場所で過ごして泊まればそれは立派な旅のひとつ。

仕事が終わって自宅に帰らず、ゲストハウスにチェックイン。近くでスタッフおすすめの食事処で夕食を食べたりクイッと乾杯したり。そんな新しい気軽な近場の旅を楽しんでみませんか?

ネイバーフッドステイ〜近所に泊まろう〜では気軽に泊まれる都会のまちにあるゲストハウスを厳選してご紹介。第1弾連載は大阪中心の関西エリア。近くの人は新たな楽しみ方として、遠方在住の方はよき宿選びの選択肢としてお楽しみください。

神戸市灘区、摩耶山のふもとで
地域の日常をつなぐゲストハウス

神戸市灘区、神戸の中心地三宮から東へ1駅、JR灘駅・阪急王子公園駅から徒歩数分、阪急高架下が目の前という立地にある神戸ゲストハウス萬家(MAYA)は、2017年にオープンしたゲストハウスです。MAYAの売りは「神戸のふつう」。観光名所を巡る旅よりも、近くにある水道筋商店街にふらりと訪ね、銭湯に入り喫茶店でコーヒーを飲むような日常を味わってもらいたい、と定期的に商店街を案内する「つまみ食い」ツアーを行っています。

オープンから2年。一万人の人に愛される家のような存在に、という想いをこめた「萬家」という屋号ですが、とうとう今年の4月、述べ1万人の宿泊も達成!オーナーやスタッフの人柄に惹かれリピーターも数多くいる人気のゲストハウスになっています。

Guesthouse MAYA
連泊してのんびりラウンジで過ごす時間を増やすとより楽しめる(Photo:神戸ゲストハウスMAYA)

オーナー 朴徹雄さんにお話をうかがいました!

オーナーは韓国人の朴徹雄(パク・チョルン)さん。言われない限り韓国人と気づかないほど日本語が堪能な彼は、現在日本人の妻とお子さん2人を持つ父親でもあります。学生時代に日韓交流の学生イベントに参加したことがきっかけで、いろんな人が混じり合い話ができる場をつくりたい!とゲストハウス開業を考えはじめました。

ゲストハウスで修行をしながら開業について実践的に学ぶ宿場JAPANに在籍、日本各地を歩き、商店街に魅惑された朴さんが特に惚れ込んだのがこちら灘区の「水道筋商店街」。神戸に地縁がなかった朴さんですが、数年かけて商店街の行事に参加したり、アルバイトをするなどしてまちとの関係性を構築。物件探しを平行して行い、地域活性化のビジネスコンペで優勝し、とうとうゲストハウス実現へ向けて走りだすことができたそう。

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長年地元で親しまれた元医院のビルをリノベーション

年単位で探し、ようやく巡り合った元医院の今の物件。宿をやることに反対意見も出たそうですが、最終的には建物主から地元で愛された医院の面影を残し、また新たなかたちで愛される場所になるゲストハウス建築を応援してくれるようになりました。

テントのような隠れ家風のドミトリーのほか、各部屋で工夫が凝らされた個室も多くあります。

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「みんなでつくろう」DIT建築集団TEAMクラプトンとともに施工

内装施工は、灘の高架下で活動をしている建築集団TEAMクラプトンのメンバーが関わりました。彼らは「みんなでつくろうDo it Together」がモットー。毎日工事の状況と内容を玄関前の黒板に掲示し、誰でも何が行われているかわかるようにしました。ワークショップを通じて地元の大人たちから子供まで一緒になって施工することで、開業前から地元地域との交流を進めていったそう。

印象的なのが一階のラウンジにあるこの大きな渦巻状のベンチ。スパイラルベンチと名付けられています。中に入るとちょっと秘密基地のなかにいるような包み込まれる感覚。これは朴さんが「仲間とわいわいしたい人と、ひとりで本を読むなど静かに過ごしたい人が同じラウンジで共存できるように」とリクエストした中でつくられたものなのだそう。

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一階ラウンジのカウンター近くにある流木のような木のオブジェは、近くの摩耶山から許可を得て持ち帰り、洗って乾かして加工したものだそう。各階の壁面にはちょっとしたイラストや、個室の柱をよく見ると、昔ここで背を測っていた?と思われる書き跡が残されていたりして、毎回訪れる新たな小さな発見があります。

その他館内にはちょっとした遊び心のあるデザインが点在。見ているだけで楽しいですし、オリジナルのベッドは強度も上段へのアプローチも考え抜かれていて、とても居心地よく滞在することができます。

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Kobe guesthouse MAYA 神戸ゲストハウス萬家

Check Point 現地に行ったらここをチェック!

MAYAの玄関先にあるゲストハウスの看板。夜は電気が点くようになっていますが、なんとこちら、以前医院だった頃に「レントゲンを写す装置」として使われていたものだったとか!さらに入り口のコンクリートにはメスなどが埋め込まれてMAYAの文字がつくられていたり、古くから使われていた靴箱があったりと、ちらほら元医院だった痕跡が残されているのでぜひチェックしてみてくださいね。

〒657-0836  兵庫県神戸市灘区城内通4丁目4−10
TEL :090-9856-8280

料金:ドミトリー3,300円〜 個室4,400円〜

Webサイト:https://kobemaya.com/

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大阪のFM局 FM802 BEAT EXPO とコラボ中!

木曜週末Doiする?〜滞在近所

FM802 BEAT EXPO木曜日のコーナー「週末Doiする?〜滞在近所」とコラボしています。

DJ土井コマキさんが「ここはオススメ!」と発掘してきたすてきな場所を紹介するコーナーで月に1回「滞在近所」コーナーとしてゲストハウスプレスと連動してご紹介しています。

コマキさんはスパイラルベンチの構造や、個室にあった個性的なかたちの二段ベッドに興味しんしん。朴さんにあれこれ質問攻めにしていました!「神戸でライブがあったときに絶対来る」と断言し取材を終えたのでした。

FM802 BEAT EXPO公式サイトはこちら

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Written by

西村祐子 / ゲストハウスプレス編集長  : 「好きなことをして生きる」を実践するべく活動するライフクリエイター。2017年より神奈川の海辺から大阪にUターン。現在はあたらしい旅と暮らしの発信基地Wanderers!の運営をはじめ、 旅にまつわるさまざまな事業プロデュースを行っている。http://moanablue.com/life