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岡山県倉敷市・ゲストハウス有鄰庵に行ったらやりたい5つのこと

ゲストハウス有鄰庵周辺の魅力的な場所をご紹介します

山県倉敷市にあるゲストハウス有鄰庵は、倉敷川周辺を中心に制定された美観地区と呼ばれる区域内にあるゲストハウスです。周辺には、古い街並みを利用したカフェや美術館などの施設が数多くあります。また、ちょっと足を伸ばせば瀬戸内の海や歴史に登場する名所旧跡もたくさん。その中でも編集部が特に!おすすめしたい過ごし方を厳選してご紹介します。

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1. 大原美術館を堪能したのち、カフェエル・グレコで歴史を感じる

倉敷美観地区に来たらやはり大原美術館は訪れたい場所のひとつ。大原美術館は、倉敷を基盤に幅広く活躍した事業家・大原孫三郎が1930年に設立した日本最初の西洋美術中心の私立美術館です。近現代美術中心のコレクションを持ち、エル・グレコ、ゴーギャン、モネ、マティスなど、「わお、原画!」とビックリするような絵画がここに展示されているほか、工芸品や現代の作品もバランスよく展示されていて、見応えがあります。

また、大原美術館の隣にあるcafe EL GRECOは、「喫茶店」と敢えて言いたくなる落ち着いた風情。苔むしたその外観や創業1959年という伝統から敷居が高そうに見えますが、そんなことはありません。

中に入れば落ち着く空間。大原美術館にあるエル・グレコの受胎告知のレプリカと、大正時代からの建物の雰囲気を感じながら、静かに粛々とコーヒーを頂くというのがここの正しい過ごし方でしょうか。

 大原美術館 月曜日定休 9:00〜17:00

cafe EL GRECO  月曜日定休 10:00〜17:00

2. 人の気配がぐっと落ち着く夜の倉敷美観地区を歩く。

倉敷美観地区は今、新しくデザインされた活気あふれるお店が増えたこともあり、休日の午後ともなれば、相当な数の観光客で賑わうエリアとなっています。けれど、ちょっと時間をずらしてみると、さーっと波が引いたように人が減ってきます。そこから先が美観地区の美しさの本領発揮。

夕方以降、人の気配がぐっと落ち着いた倉敷川の畔。蛍光灯を排除し、暖かい色でまとめられた灯りの風情は、どこをとっても絵のようで現実感を失いそうになるほどです。

倉敷川の川辺に佇んでいると、絵心の無いひとでも「ちょっとスケッチでもしようかな」と思ってしまいそう。多くの商店は早い時間に店じまいしますが、美観地区の中にはコジャレたラーメン屋さんやアウトドア感覚で楽しめるテラスのあるピッツェリア、91年!の伝統がある居酒屋、やバーなど、夕食や飲みの選択肢も意外と多くあります。

夜の倉敷美観地区を歩くと、昼間、よそ行きの顔をして見えてこないふだん着のまちの暮らしを少しだけ垣間見ることができます。「暮らすように旅をする」体験があなたにもできるかもしれません。

 小豆島ラーメンHISIHIO倉敷美観地区店
11:00〜19:00 月曜定休日

 ピッツェリアコノフォレスタ
11:30〜21:30 月曜定休日

民芸茶屋 新粋
17:00~22:00 日曜定休日

サロン・ド・リックス
18:00 ~ 24:00 定休日なし

3. 林源十郎商店で倉敷の暮らしや地域の今を知る

有鄰庵から徒歩数分、林源十郎商店〜倉敷生活デザインマーケットは2012年3月にオープンした「豊かな暮らし」を探求する「衣食住」の8店舗が入居する、木造三階建ての本館・母屋、離れ、蔵の四棟と庭を修復・整備した施設です。

”今を生きる人が暮らしや地域を見つめ直すきっかけに。”というテーマで構成されたショップやカフェは、それぞれ個性的でスタイリッシュ。倉敷美観地区の新しいランドマークとして人気があります。朝8時からオープンしている立ち飲みのバル的なカフェ Cafe Gewa と雑貨のセレクトショップ・生活デザイン・ミュージアム倉敷の贅沢な空間づかいが印象的でした。

また、今、文具好き女子に大人気のマスキングテープで有名な倉敷意匠のアチブランチや洗練された各セレクトショップの品揃えを見ていると、これらのショップの洗練度や先見性は東京の最先端と何ら変わらない。

むしろ生産者に近い分よりそこで買うものたちを大切にしたくなる、と感じます。もとは1657年から続く薬屋だったという林源十郎商店。敷地内にその歴史と功績を記録した林源十郎商店記念室がある、というのも、このまちに住まう方の”倉敷愛”の強さがにじみ出ています。

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林源十郎商店〜倉敷生活デザインマーケット
営業時間は各店舗によって異なる 主に月曜定休

倉敷意匠計画室
アチブランチ:10:00~18:00 月曜定休日

Cafe Gewa(カフェゲバ)
8:00~18:00(月~金) 8:00~21:00(土日祝)不定休

4. 町家喫茶・三宅商店で、フルーツ王国岡山ならではのパフェを食べる。

三宅商店は江戸時代後期に建てられた古民家を利用した町家喫茶。もともとは荒物屋さんだった建物を屋号はそのままに埋まり変わらせた商店です。季節の果実カフェと三宅カレーが人気。カフェにカレーは定番なのですが、ここのカレーは野菜たっぷりでスパイスの味もしっかりしていておいしい。

けれど、何よりもフルーツ王国岡山ならでは!の、季節ごとに旬の果物を使って作られるパフェ、これがヤバい。岡山で収穫される旬の果物をふんだんに使用した贅沢すぎる逸品。夏季限定・桃のフローズンパフェをはじめ、摘み立て苺パフェや和栗のパフェなど、シーズンごとに通いたくなります。

こちらは夏限定の白桃パフェ
こちらは夏限定の白桃パフェ

こちらのパフェは、三宅商店本店のほか、林源十郎商店の本館3Fにあるカフェ工房でも食べられます。美観地区を歩き疲れたときの栄養補給や、ちょっとした気分転換的に使うのもいいかもしれません。ただし土日のランチタイムを中心に長く行列も出来る人気店なので、ご利用は計画的に、がベストでしょう。

また、倉敷市郊外にある水辺のカフェ三宅商店酒津も系列店。駐車場からカフェまで150mと離れているので、ゆったりとした気分で近くの水辺をお散歩したあとでパフェを食べると、さらに美味しさが増してくるかもしれませんね。

三宅商店本店の店構え
三宅商店本店の店構え

5.  渋川海岸と王子が岳で、瀬戸内海の地形の美を堪能する

渋川海岸と王子が岳は、倉敷市のお隣玉野市(たまのし)にあります。どちらも倉敷からは車がないとアクセスが難しい場所ですが、もしドライブできる環境ならぜひ訪れたい場所です。王子が岳頂上近くの駐車場を起点に気軽なウォーキングコースがあり、「おじさん岩」「にこにこ岩」「ひつじ岩」など名づけられた岩の間を巡ることができます。

ゴツゴツした岩から下を臨むと、絶景を楽しむよりも怖さが先に立ってしまうほどの断崖絶壁な眺望です。瀬戸内のポコポコした島のかたちや穏やかな海を見ていると、自然と心がほんわかしてくるような気がします。

全国屈指のパラグライダーフライト場でもある王子が岳では、時に空中遊泳を楽しんでいる人も見ることができます。人が笑っているように見えるというにこにこ岩まで徒歩10分程度。ピクニック気分でのんびりお弁当を持って1日岩の上で過ごしたくなる場所です。

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王子が岳の麓に位置する渋川海岸は岡山県下最大の海水浴場。ゆったり景色を楽しむには海水浴シーズンの夏以外に訪れるのがおすすめです。空気が澄んで天気がよい日は瀬戸大橋や四国まで見ることができます。

波がほとんど立たず、数多くの島影を眺めることができる瀬戸内海特有の美しさを堪能できる場所。倉敷美観地区や直島など、人の多い場所ばかりを巡ってちょっと疲れちゃったな、なんてときなどには特におすすめしたい海岸です。

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西村祐子 / ゲストハウスプレス編集長  : 「好きなことをして生きる」を実践するべく活動するライフクリエイター。2017年より神奈川の海辺から大阪にUターン。現在はあたらしい旅と暮らしの発信基地Wanderers!の運営をはじめ、 旅にまつわるさまざまな事業プロデュースを行っている。http://moanablue.com/life