あなたは旅は遠くに出かけるもの!と思っていませんか?家から近くても、いつもと違う場所で過ごして泊まればそれは立派な旅のひとつ。
仕事が終わって自宅に帰らず、ゲストハウスにチェックイン。近くでスタッフおすすめの食事処で夕食を食べたりクイッと乾杯したり。そんな新しい気軽な近場の旅を楽しんでみませんか?
ネイバーフッドステイ〜近所に泊まろう〜では気軽に泊まれる都会のまちにあるゲストハウスを厳選してご紹介。第1弾連載は大阪中心の関西エリア。近くの人は新たな楽しみ方として、遠方在住の方はよき宿選びの選択肢としてお楽しみください。
アート・デザイン好きにはたまらない!
カジュアルな旅スタイルを個室で実現
大阪市此花区・JR環状線/阪神なんば線西九条駅から徒歩でてくてく7分くらいのバス通り沿いにあるThe Blend Innは、ホテルでも旅館でも、いわゆる普通のドミトリー中心のゲストハウスでもないジャンルフリーな宿泊施設。
2017年3月にオープン、オーナーは大阪市内で数カ所ゲストハウスを運営しているチームで、シャワー・トイレ共同の個室が7部屋の3階建てのビルディングです。人が交わり、暮らすように旅することをイメージしてつくられた空間は、ちょっと古びた風に見える内外装ですが実は新築。1Fの共有リビングエリアは吹き抜けになっていてより広く開放的に。部屋は壁面の小さなアートからベッドのシーツまでこだわりとセンスが詰まっています。
ディレクターの辺口さんにお話を聞きました!
The Blend Innのコンセプトやデザインまでからディレクションされている辺口芳典さんに館内を案内いただきながら、お話をお伺いしました。
館内に一歩踏み入れると、大きな長いテーブルと光が透けるカラフルな色のカーテンが目につきます。個性的なテーブルやソファがある広い空間は、ガラスが多い窓からの光も相まって清々しく開放的です。
壁面の模様?は、通常なら表に出さない加工途中の素材。それをわざと見せることによって、新築にありがちな妙なピカピカ落ち着かない雰囲気を出さないように工夫してあるのだそう。よく見るとコンクリートの壁面そのものも模様のようなものが残されていて、それも「味」を出すために残しているとか。
辺口さんのご職業は詩人。歌をつくったりするアーティストでもあります。この宿に関わる前から、東京や大阪で空き家や空き物件を使ったアートなインスタレーション(ポエトリーリーディングや即席芝居などさまざま)に関わっていたことがきっかけで、この宿のディレクションを任されることになりました。
デザインや設計の知識はなかったので、設計士の方に自分たちのイメージをどう伝えるか?に苦心。そこで辺口さんが取った方法は「気に入っているモノや場所を見せて、いっしょに歩いて案内」することでした。
宿への道のりも新しい発見がある旅として楽しんでほしい
辺口さん「このあたりは、まだまだ大阪の下町風情が残っていて、西九条の駅から朝日橋っていう橋を渡ってここに来ることになるんですけど、その橋からの景色も見てもらいたいんです。トタン屋根の家がたくさん残っていて。そこから歩いて周りになにもなくてちょっと不安になった頃に、いきなり(夜にはネオンの看板サインが出る)明るいコンクリートの建物が現れるっていう、その感じとかも楽しんでもらえたらいいですね」
こんな「この場所やモノのこんなところが好き」というディテールを、設計士さんともまちを一緒に歩いて伝えていったことで、一見冷たく都会的な建築に思えるコンクリート造りの建物が、もうずっとここに存在していたかのように建っています。
旅の1日は、異なる景色の変化が連続することでもあります。
ゲストハウス泊でおもしろいことのひとつが、利便性だけで選ばずにいつもは使わないような、観光客も来ないような駅を降りて、歩いてその場所に向かうことで、新しい意外な発見があるということ。The Blend Innにはそんな新たな発見や楽しみがたくさん隠れています。
泊まってこそわかる空間の価値。
取材したのは午前の光が射し込む時間帯でした。光を取り込むつくりなので、夕方から夜にかけてはまたまったく違う雰囲気になると辺口さんは話します。
屋上にも上ることができ、ビニールハウスになっているランドリーで洗濯も可能。建物の真横にあるイチョウの木も春夏秋冬、違う表情を見せてくれます。
朝は、大きな共有キッチンで各自朝食をつくって食べて。現在は日本人、アジア系の観光客、欧米系のゲストがそれぞれ3分の1ずつくらいが宿泊。毎日、「たまたまUSJも近いしと来てから中の様子に驚く」人や「ここに泊まりたくて来た」という人などが混じりあっているのもおもしろそうです。
二階、3階が客室とトイレ・シャワールーム。2階のダブル部屋はまるで小屋のようなつくりでテンションも上がります。
それぞれの個室には洋楽の曲名から取ったという部屋名がつけられています。まるで昔の旅館に「楓」「桜」と名付けられていたように。
3階にある4名泊まれる部屋はグループステイにぴったり。広い窓の外には阪神電車の線路も見えます。ゆるい下町っぽさを洗練された空間から見ると、また違った景色に見えるのが不思議です。ベッドシーツや照明なども各部屋少しずつ違っていて、かっこいい。小さい椅子と机も置かれてあって、ファイルの中にはおすすめの食事処が書かれたオリジナルMAPや近くの銭湯案内なども入っています。
3月17日(日)までCharaさんの絵本展示ギャラリーとしても開放中
2月9日〜3月17日までBEAMSのギャラリーとコラボしてミュージシャンのCHARAさんと妹の綿引光子さんが出された絵本をモチーフにした展覧会「Chara Art Living Room “LITTLE HEARTBEAT”」が開催されています。先日行われたトークショーも大盛況だったとか。この展示では、階段部分など共有スペースに書き下ろしも含む多くのアート展示がありますが、それとは別に各部屋に泊まった人しか見られないオリジナル作品が飾られています。(詳細)
朝、昼、夜と違う光のなかで、フレームのなかのアートと過ごす。これはなかなかできない贅沢です。通常の展示は午後3時から8時まで。せっかくならぜひ大阪近郊にお住まいの人も「近所に泊まろう」でぜひこの期間にステイしてみてはいかがでしょうか。
ツインルームが多いですが、シングル使用でもリーズナブルな価格で宿泊可能。日常の中にある旅気分を存分に高められる素敵な空間です。
Check Point 現地に行ったらここをチェック!
一階の広いラウンジには本棚があって、いろんなジャンルの本がセレクトされて置かれています。その中でドイツの出版社が出している「The grand hostels」という本は必見。英語の本ですが、写真も大きく見ているだけであちこち世界旅行した気分に。こちらの宿もかなり大きな写真で紹介されています。
細かいところにこだわったブレンド院 スピーカーやシャワールームのシャワー、さりげなく置かれた耳栓など、旅先で心地よく過ごすライフスタイルにとことんこだわった空間。今後アート展示も第2段、3段と予定されているそうです。新たに一階でコーヒースタンドも営業予定。気軽にふらりと訪れて、あなただけのチェックポイントもぜひ見つけてみてください。
〒554-0013 大阪市此花区梅香1丁目24
TEL :070-1745-1250
料金:個室¥6,500~ 3-4名宿泊できるバンクベッドルームあり
Webサイト:http://www.theblend.jp/
大阪のFM局 FM802 BEAT EXPO とコラボ中!
木曜週末Doiする?〜滞在近所
FM802 BEAT EXPO木曜日のコーナー「週末Doiする?〜滞在近所」とコラボしています。
DJ土井コマキさんが「ここはオススメ!」と発掘してきたすてきな場所を紹介するコーナーで月に1回「滞在近所」コーナーとしてゲストハウスプレスと連動してご紹介しています。
以前オープン直後に宿泊されたことがあるコマキさん。その時には見なかった3階部分や屋上を案内いただきテンションマックス。各部屋ごとにシーツの色やカーテンの色も変えられているディテールの細かさに感動していました!
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