「まちのゲストハウス」を考察した書籍が発売されました!
旅人にも移住者にも居心地がよい小さなまちの「とまり木」。
ゲストハウスのことを、『ひとの居場所をつくる』著者の西村佳哲さんはこう語っています。「いいゲストハウスのあるまちは、いい出会いと、いい時間に恵まれ、結果として、次のまちの姿がその周囲にあらわれてくるんだろう」
小さなまちのハブになる「ゲストハウス」の役割
まちのなかで人と人をつなぐハブのような存在になるのがゲストハウスとそのスタッフ。よいゲストハウスは、みなさん自然とそんな役割を果たしているような気がします。
それぞれのゲストハウスの物語が当事者によって語られます
『まちのゲストハウス考』(学芸出版社)では、建築関連の編者お二方以外に、数多くの執筆者がいます。それらはみなさん自ら計画し、運営をされているゲストハウスオーナーや管理人の方たち。それぞれ個性あふれるみなさんが、宿ができるまでのエピソードを中心に、どんな思いでゲストハウスを開業し、運営しているのかが語られています。
登場するゲストハウスは9つ。
登場しているゲストハウスは9軒。編者の方が岡山を拠点に活動されているというご縁もあってか西日本の宿が多めですが、バラエティ溢れるラインナップとなっています。
尾道ゲストハウスあなごのねどこ
NPO法人尾道空き家再生プロジェクト代表豊田雅子さん
40mの路地奥で出会う下町風情の後継者たち
広島県尾道市の商店街にある細長い空き家を改装。フリーペーパーVol.12 およびGuesthouse Selection にも登場。
あわくら温泉 元湯
あわくら温泉 元湯 井筒もめさん
こどももお年寄りも!笑顔が集う山村の温泉宿
岡山県西粟倉村の休業中だった温泉を日帰り温泉・カフェ&レストランを兼ねたゲストハウスに再生。http://motoyu.asia/
福井ゲストハウスSAMMIE’S
福井ゲストハウスSAMMIE’S 森岡咲子さん
時間をかけて手でつくる。福井の旬を届ける編集拠点
JR福井駅東口から徒歩5分、民家をセルフリノベーションし2015年に立ち上げたゲストハウス。http://sammies.jp/
たみ/Y Pub&Hostel
たみ/Y Pub&Hostel 蛇谷りえさん
他者と遭遇する場所を営み続けて気づいたこと
鳥取市鳥取駅近くのパブ併設のゲストハウスと、温泉街である湯梨浜町の「写真NG」ゲストハウスのたみを運営しておられます。Webサイト:Y Pub Hostel /たみ
気仙沼ゲストハウス 架け橋/山麓園
架け橋/山麓園 田中惇敏 さん
距離を縮める場づくり。
復興ボランティア拠点としてのゲストハウス
宮城県気仙沼市にある手作りのゲストハウス。東日本大震災後・ボランティア支援の一環でつくられた。同じく熊本の山麓園も同様に災害ボランティアの活動拠点として宿を提供している。 気仙沼ゲストハウス架け橋 / 熊本ボランティアハウス山麓園
1166バックパッカーズ
1166バックパッカーズ 飯室織絵さん
ご近所さんともてなす門前町の一期一会
2010年開業の長野県長野市、善光寺門前にあるゲストハウス。フリーペーパーVol.8およびGuesthouse Selection にも登場。
ほんまちの家
町家体験ゲストハウスほんまちの家 加納亮介さん
普段着の高岡を伝える。まちなか暮らしに溶け込む宿
富山県高岡市にある町家体験型のゲストハウス。ドミトリープランと一棟貸し切りのパターンを選べる。http://honmachinoie.jp/
とりいくぐる Guesthouse & Lounge
とりいくぐる Guesthouse & Lounge 明石健治さん
商店街に佇む、日常と非日常をつなぐ小さな結界
岡山市、JR岡山駅から徒歩15分、奉還町商店街にあるゲストハウス。フリーペーパーVol.14およびGuesthouse Selection にも登場。
シェアビレッジ
シェアビレッジ 武田昌大さん
コミュニティが古民家を救う!
過疎の山村を支える仕組みとしての宿
「年貢を収めて町民になる」というコンセプトで、秋田県北秋田市と香川県仁尾市にて展開する新しい形態のゲストハウス。http://sharevillage.jp/
建築家、まちを客観的に見つめる視点もおもしろい
編者のおふたりの考察も大変おもしろいものとなっています。第1章「ゲストハウスがはじまるまち」を担当された片岡八重子さんは、千葉出身で岡山を拠点に建築設計をされている方。NPO法人「尾道空き家再生プロジェクト」に関わることになったことがキッカケで、ゲストハウスの存在を知り、尾道・あなごのねどこ、岡山・とりいくぐる、他多くのプロジェクトに関わっておられます。
また、第3章「暮らしをつなぐ小さな宿」を担当された真野洋介さんは、東京工業大学でまちづくりを中心に研究をされています。この本の中では、京都や東京といった大都市の観光地ではない場所で宿を営む小さなまちのゲストハウスがどのように地域と接点をもち、支えているのか?アートインレジデンスや地方回帰への流れという大きな視点でゲストハウスの存在を捉え、考察されています。
ゲストハウスをなぜ使うのか?魅力は何か?
ゲストハウスプレス編集長西村も執筆しました!
ゲストハウス運営者の思いだけではなく、ゲストハウスを利用している人たちはどういう部分に魅力を感じているのか?ゲストハウスプレスを立ち上げた編集長西村も、そうした視点で原稿を書かせていただきました。
Amazon.co.jpほか、書店にて発売中!
学術書なので書店販売は少なめですが、Amazonほか、大手書店にて販売中です。また岡山・京都・長野・東京にて発刊記念イベントも開催。毎回たくさんの方に来ていただき、活発な質疑応答などアツイ時間が繰り広げられております。版元学芸出版社での紹介記事もあります。ぜひ一度お手にとってご覧ください。