ゲストハウスプレスー日本の旅の、あたらしいかたち。

 

「会いに行く旅」飛騨編 開催レポート

観光じゃなく、あの場所のあの人に、会いに行く旅をしよう。

旅をしていて本当に印象に残るのは、観光という言葉の外にある、普段着のまちと住まう人に出会うとき。「会いに行く旅」は、現地のゲストハウスオーナーとともに企画、ゲストハウスプレス編集長がナビゲートする1泊2日の旅。2018年9月下旬、第一弾の舞台となった岐阜県飛騨地方へお邪魔してきました。

初日はまち歩きとトークイベント

初日は高山のプチまち歩きとトークイベント。
でもただのまち歩きではありません。ゲストハウス開業前の宿へDIY作業中のオーナーに案内してもらいながら見せていただいたり、超観光地の「古い町並み」を避けて、よりローカルなメンチカツの美味しい店や地元の酒造に寄り道しながらのまち歩き。高山のソウルフード、地元民が愛する「焼きそば」のお店で夕食など、今回の旅ならではのチョイスでスタートしました。

初日にお会いしたのは、この企画を全面サポートしてくださった高山ゲストハウスとまる&Tomarotto Hostelオーナー横関さんと、その時点ではまだ絶賛内装工事中のところをおじゃましたカミノイチマチバックパッカーズの上山さんです。

ゲストハウスオーナー横関真吾さん

Tomarotto Hostel 横関真吾さん

飛騨高山ゲストハウスとまる」「Tomarotto Hostel」オーナー横関真吾さんは2011年に高山に移住し、ゲストハウスを開業。ご夫妻とお子さん2人の家族経営のゲストハウスです。初日夜に開催したトークイベントでは「泊まりたくなるゲストハウス」というテーマだったので、横関さんを慕って近隣の宿や岐阜市などからもイベントに来てくださる方も。以前カナダの山でガイド業もされていたこともあり、今回のコーディネートもノリノリで引き受けてくださいました!

カミノイチマチバックパッカーズ 上山さん

カミノイチマチバックパッカーズ上山剛史さん

横関さんから「もうすぐできる工事中のゲストハウスがあるから寄ってみたら?」と教えていただき、お邪魔したカミノイチマチバックパッカーズの上山さん。あと一ヶ月で開業、というお話でしたが、その時はまだ電灯がついておらず、工事用のライトをつけ追い込みの手を止めてご対応くださいました。高山の古い町並みの中にあって、昔の建物をうまく利用しながらリノベーション。案内してもらった内部の個室は隠し部屋みたいなつくりで、みんなで大興奮のひとときでした。

飛騨高山雨の古い町並み付近
雨の高山も風情あり
会いに行く旅 参加者のみなさま
雨に濡れても楽しく散策!
飛騨高山ちとせ 焼きそば
高山名物中華そばの名店ちとせ
Tomarotto Hostel イベント
はるばるトーク終了後みんなで集合写真

トークイベントでは、20人近くの人が集まり、ゲストハウスに限らず「行きたくなる場所」って何が違うんだろう?どんな特徴があるだろう?というテーマで西村が問いかけるかたちで進んでいきました。後半は飛騨のお酒も交えて交流タイム。たまたま街歩きのときに見かけて購入した少女のイラストつき清酒のイラストを描いた本人がその場にいらっしゃるなど、うれしい偶然もありました。

イベント終了後は少し参加メンバーと話をしたのち、それぞれのタイミングで就寝。夜のイベントと寝る場所が近いって最高!ですね。

初日の様子を動画で少しだけ。

予定変更もなんのその。高山郊外と飛騨古川のまちへ出かけました。

翌日は近くの老舗喫茶店でモーニングを食べ、高山名物の宮川朝市見学にはじまり、足を延ばして飛騨国府・古川のまちへ。

高山郊外でお会いしたのは古民家を移築して営業している民藝と古本と暮らしのお店「やわい屋」の朝倉さんと飛騨古川で木工を中心にカフェと作業所、さらに宿まで運営している「Fab cafe HIDA」の伊藤さんです。

RX505271

やわい屋 朝倉圭一さん

「やわい屋さんには絶対行ってもらいたい!」と横関さんに強力オススメされていた場所。高山駅から2駅ほど離れ、山間に入っていった中にある古民家を移築した民芸品や古道具・古書のお店やわい屋を経営する朝倉圭一さんは、地元も高山。以前はラーメン屋さんやチェーン店の店長をしていたという経歴の持ち主。ご夫妻と猫の住居も兼ねた空間は、居心地がよく、時間の感覚を忘れてしまいそうになるほどリラックスできました。

Fabcafe HIDA 伊藤さん

FabCafe HIDA 伊藤優子さん

デザイナーや建築家と共創した多彩な事業を行う株式会社飛騨の森でクマは踊るのものづくり拠点として生まれたのがFabCafe Hida。当日は台風の影響で店舗の営業はしていなかったのですが、訪れる私たちのためにスタッフの伊藤優子さんがあたたかく迎えてくださいました。伊藤さんはUターンで古川に戻ってきて、現在は主に宿泊部門を担当をされています。「いろんな企画も任されて、仕事が楽しい」と笑顔で答えてくださったのがとても印象的でした。

雨ニモ台風ニモマケズ。その瞬間を楽しみ尽くす。

「やわい屋」には屋根裏のような空間の2階部分があり、そこに彼らがセレクトした古書と、年季の入った机や椅子、ロッキングチェアなどが置かれています。取材をするつもりではなかったのですが、お茶を持ってきてくださった朝倉さんに、2.3質問をしたところ、そこから話がはずんで。人生の深みを考えさせられるようなちょっと哲学的な話になったりしてあっという間に時間が経ってしまいました。

そんななか、参加メンバーのひとりは、少し離れた床に寝転んでごろりとうたた寝。この自由さがいい!こういうのがやりたかった!と個人的にみなさんの「勝手に好きなことやる」感がこのあたりで爆発してとてもいいなあと感じました。

団体ツアーって、お仕着せだったり時間厳守だったり妙にルールに則らなくてはいけない部分ってありますよね。そういうのをしたくない!でも個人では体験できない旅がしたい。そういう要望に応えられる旅企画でありたい、そんなふうに思ってこのツアーを開催しています。

高山市郊外飛騨国府近く
高山市郊外飛騨国府近くの風景
高山郊外にある「やわい屋」
「やわい屋」で興奮するわたしたち
やわい屋2Fの古書スペース
やわい屋2Fの古書スペースでくつろぐ参加者のみなさま
飛騨古川FabCafeHIDA
飛騨古川のまち並みにすっと馴染むFabCafe HIDAの佇まい

終日雨模様ではありましたが、現地では台風の影響はほとんどなく、プログラム終了を少し早めれば・・という思惑とは裏腹に、JRや高速バスが軒並み午後から休止となり、結果的に参加者のほぼ全員がその日1日足止めとなってしまいました。

足止め参加者はゲストハウスとまるさんに無事延泊することができ、翌朝はピーカンの晴れになるという旅のおまけつきで、とても充実した時間となりました。参加してくださった方本当にありがとうございました!

たとえ1泊でも魅力ある人に会って、話せば、忘れられない旅になる。

すべてのプログラムが終了するまできっかり24時間という短い時間でしたが、はじめまして!でであった人同士が「次はどこで会う?」と次回の約束をしたくなるほどぐっとその仲が縮まったのは、高山で出会ったいろんな人の深い話を共有したからかもしれません。

たとえ1泊でも、魅力的な人に会って話すと、忘れられない旅になる。ナビゲートしたわたしもとても印象深い雨に負けない素敵な2日間。次回以降もこんなふうに日本中のすてきな場所に、すてきなみなさんとご一緒できるといいなと思っています。

第2回「会いに行く旅」も計画中!

少し間が空いてしまいましたが、2019年春頃から企画再開の予定です。

  • おひとり参加の方歓迎します。男女は問いません!
  • ゲストハウスに興味があるけど、泊まった経験がない人も!
  • 30〜40代のおもしろいコトが好きな好奇心旺盛な人
  • 学生や20代でももちろんOK。いろんな年代の人と会ってみたい人
  • 偶然の出会い、ご縁を大事にしたい人
  • おもしろそうなプロジェクトに関わってみたい人
  • 地方移住を考えていて、地域と出会うきっかけが欲しい人
  • 今の暮らしや生き方を変えてみたいな〜とぼんやり思っている人

こんな方にフィットするのではないかなと思います。次回の企画募集までもうしばらくお待ちください。

Written by

西村祐子 / ゲストハウスプレス編集長  : 「好きなことをして生きる」を実践するべく活動するライフクリエイター。2017年より神奈川の海辺から大阪にUターン。現在はあたらしい旅と暮らしの発信基地Wanderers!の運営をはじめ、 旅にまつわるさまざまな事業プロデュースを行っている。http://moanablue.com/life