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温泉ゲストハウス翠鳩の巣(島根・玉造温泉)に行ってきました!

島根県玉造温泉にある
温泉ゲストハウス翠鳩の巣に行ってきました!

玉造(たまつくり)温泉は、島根県松江市にある温泉街です。その歴史は平安時代からと大変古く、美肌の湯としても知られています。
玉作川のほとりにずらりと並ぶ大きな旅館・温泉ホテル群は老舗の風格たっぷり。そんな高級旅館が並ぶ場所にゲストハウスが出来たと聞いて興味津々。訪問取材させていただきました!

玉造温泉ってどんなところ?

玉造温泉がある島根県松江市は、宍道湖(しんじこ)という大きな汽水湖としじみが有名な湖のすぐそばにあります。JR松江駅から玉造温泉駅まではローカル線で数駅、出雲方面に行く特急が停車することもあります。

1300年前から美肌効果に優れていると、かの『枕草子』にも書かれていたそうで、とにかく最近は女子旅・美肌旅を推しまくっています。温泉ビューティーアドバイザーという資格をもつ玉造温泉で働くスタッフたちも多いのだとか。

玉作川
玉造温泉街の真ん中を流れる玉作川 夜は特に風情があってそぞろ歩きが楽しい

翠鳩の巣は温泉街の中心部、玉作川沿いにあります

そんな歴史と格式のある玉造温泉の中心部、温泉街を流れる玉作川沿いにあるのが「温泉ゲストハウス翠鳩の巣(あおばとのす)」。なんとお向かいにはかの有名な全国チェーンの温泉宿もあるという素敵な立地。ゲストハウスというと観光地エリアからちょっと離れた古い一軒家・・・なんていうイメージがありますが、ここは違います。

こちら、実は歴史ある温泉旅館が廃業されてそのままになっていたのを、近くのホテルチェーンが買い取り、新しい業態ということで新たにリブランディングしてスタートさせた宿なのです。

玉造温泉 オブジェ
出雲地方は神様のふるさと。こんなオブジェもありました

広々としたラウンジ、豪華な朝食サービス

素泊まりのゲストハウスとして再スタートした翠鳩の巣ですが、元は高級温泉旅館というだけあって、非常に建物のつくりがしっかり丁寧にメンテナンスされています。

翠鳩の巣玄関
翠鳩の巣玄関 立派な柱!ガラス戸やアートオブジェもあっていい雰囲気。

玄関を開けると広々としたラウンジとテーブルが。のんびりくつろいだり、Wi-Fiサービスもあるので、持ち込んだ仕事があってもここならはかどりそうです。

素泊まり宿なので、朝食/夕食の提供はオプション。わたしは朝食を予約しましたが、+1000円でこの豪華さはお得!と思いました。なんでも系列の割烹旅館の料理長がこの宿のために考えた特別メニューのおかずなのだそう。

翠鳩の巣1Fラウンジ
翠鳩の巣1Fラウンジ Wi-Fiも飛んでいて居心地よさそうなソファも多数ありました
前日までに注文すると系列の割烹旅館で考案されたという豪華朝食が+1000円で食べられます。これはおトク!
前日までに注文すると系列の割烹旅館で考案されたという豪華朝食が+1000円で食べられます。これはおトク!

夜は、レセプションで教えてもらったディープな居酒屋さんで地酒とイカのお刺身をいただき大満足。宿のまわりの歩いて行ける範囲に、美味しい食事処が何種類か選べるくらいあるっていうのは、満足度の高さがそれだけでアップします。最近できたカフェやフードトラックを利用してのコーヒースタンドなんてのもありました!

なんといっても泉質が自慢の源泉掛け流し温泉!

しかしここの一番の特徴は名前にもついている通り「温泉つき」のゲストハウスだということ。しかもこちらのお湯は玉造温泉のなかでも実は数カ所しかないという「源泉かけ流し」なんだとか。

ちょうど近くのカフェで定食をいただいているとき、マスターのおねえさんに翠鳩の巣に宿泊していると話すと「あそこの泉質がいいのは昔から知られている。わたしも入ってみたい!」と興味津々でした。

男女別の浴場は、掃除もしっかりされており水場やシャワーも古びた感じはまったくせず。浴槽のあたりはちょっと懐かしさも感じる雰囲気もあります。泉質は確かにヌメヌメとはしていないのに、しっとりした肌触りはあり、さすが「泉質が化粧水みたいなもの」というだけのことはある素晴らしいものでした。

温泉ゲストハウス翠鳩の巣 男女別の源泉掛け流し温泉
男女別の源泉掛け流し温泉。別途シャワーブースもあり

ドミトリー室から和洋室までバラエティ豊かな客室構成

客室は狭いけれどドアで仕切ってあるドミトリー室から、小さな机もあるベッドの洋室と和室の客室がありました。価格的に一番安いのはドミトリー室ですが、2人以上の場合は特に一番コストパフォーマンスがよいのは和室のステイ。外の緑も見え、美しく整えられた和室でくつろぎ、温泉に浸かりまくるのがいい感じ。

夕食は温泉街にいくつかある食事処がおすすめですが、もっとカジュアルに済ませたいという人用に、フロントでご当地ものを含む複数のレトルトカレーを販売。ご飯とあわせてラウンジで食べることもできます。セルフで作るブレンドコーヒーサービスなどもあるので、読みたい本を持ち込んで夜はラウンジでのんびり読書、なんて使い方もよさそうです。

翠鳩の巣 ドミトリー室入口
ドミトリーといっても壁でしっかり仕切られた個室仕様
翠鳩の巣和室
昔ながらの旅館の和室タイプもあります。

支配人の伊藤さんにお話を聞きました。

支配人の伊藤さんは一時期県外に出ていたものの、Uターンでこの宿も運営する高級旅館・皆美(みなみ)で働いていました。2016年頃より廃業したこの旅館を活用して何か新しい試みを、と、伊藤さん中心にプロジェクトが発足し、高級旅館のサービスよりも低価格で、よりカジュアルで親しみやすいサービスを提供できるゲストハウスのプランが浮上。2017年5月に新たな業態としてスタートしたのが「翠鳩の巣」です。

ゲストハウスが旅館と違うのは、施設・設備の部分だけではありません。スタッフとお客さまが近く、口調もカジュアル、という特徴もあると伊藤さんは考えました。

そこで、アットホームさを出し、食事も外で食べていただく素泊まり方式、フロント前でセルフ方式のカフェと希望者にはインスタントカレーの提供もはじめました。
また、制服もネクタイではなくベストにするなど、カジュアル過ぎず堅苦しくない姿を工夫していあす。

玉造温泉は老舗の高級旅館街。7〜8年前から「女子旅」「美肌の湯」をPRし、若い世代への訴求もはかっていますが、それに対応した宿のバラエティが少ないことがありました。

「翠鳩の巣」では、従来なら日帰りで済ませていたそうした層にうまく当たり、部屋の内装、清潔さ、温泉の泉質など「期待以上だった」と好評を得ているようです。

これから先、「もっと知名度を上げて、よりバラエティに富んだお客さまに来て欲しい、外国人の旅行者なども来て交流できるような雰囲気をつくっていきたい」と伊藤さんは話してくれました。

伊藤さんは終始笑顔で応対いただきました。接客のプロフェッショナル!
伊藤さんは終始笑顔で応対いただきました。接客のプロフェッショナル!

編集長が見た「ここがいいね!」ポイントは?

なんといっても、高級旅館街でちょっと敷居が高かった玉造温泉に、安価でカジュアルに、でもみすぼらしくなくちょっとオシャレな感じで泊まることができるようになったことが素晴らしいです。

翠鳩の巣ではカジュアル感を出すために(斜め前の皆美とは)制服も変えているそうですが、それでも普段ゲストハウスに制服なんてない(またはTシャツとか)ので、ちょっと背筋が伸びる感じなのもまたいい。

日帰り温泉に行って帰るのと、1泊するのではやはりその土地に対する愛着度のようなものが全く違います。1泊数万円かけて、仲居さんにあれこれ手間をかけてもらって部屋食するようなサービスは不要だけれど、素泊まりでいいから温泉にはいってくつろぎたいという潜在的需要はかなり多いはず。

古民家を改修してつくった若い経営者が運営するゲストハウスとはちょっと違う雰囲気だけれど、逆に今までゲストハウスに泊まったことがない、という少し年配層にはこのくらいのサービスが最高に心地いいはずです。

また学生や20代くらいの若い年齢層の人にも、高級旅館には縁がなくてもこうした宿で泊まる経験を積んで、それから旅館デビューというのもいいですね。

そして、当然温泉マニアにもおすすめです。美肌の湯、すばらしかった!幅広い年齢層、家族や友人、一人でも楽しめる懐の広さがこの宿の最大の特徴でありよいポイントだと思います。

翠鳩の巣スタッフのみなさま
支配人の伊藤さんとマネージャー田部さん。なんだかちょっと似てる?

温泉ゲストハウス翠鳩の巣(あおばとのす)

源泉掛け流しの温泉つき!旅館とゲストハウスの「いいとこどり」が魅力

〒699-0201 島根県松江市玉湯町玉造45−2

料金:ドミトリー4,000円 個室4,500円〜

TEL : 0852-61-0121
Webサイト:https://www.aobatonosu.jp

翠鳩の巣客室

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翠鳩の巣玄関の看板
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西村祐子 / ゲストハウスプレス編集長  : 「好きなことをして生きる」を実践するべく活動するライフクリエイター。2017年より神奈川の海辺から大阪にUターン。現在はあたらしい旅と暮らしの発信基地Wanderers!の運営をはじめ、 旅にまつわるさまざまな事業プロデュースを行っている。http://moanablue.com/life