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ニッポンゲストハウス考 #02 日本への外国人観光客増加中!その内訳は?

日本への外国人観光客増加中!その内訳は?

日本のゲストハウスをさまざまな角度から考察し、その特徴を分析し、あたらしいジャンルの仕事や生き方、旅のあり方との結びつきを考えます。第2回目はゲストハウスの利用者に多い外国人観光客について、具体的な数字を追ってみました。(※初稿2013年12月の記事)

知っている人は知っていて、知らない人は全然知らないゲストハウスという存在。特にここ数年、都市や観光地を中心に従来の「安宿」ではない魅力を持ったゲストハウスが次々と開業しています。第2回目のニッポンゲストハウス考は、海外からの旅行者は今どこの国からのゲストが増えているのか?具体的な数字で追ってみました。

海外からの旅行者が増えている!

海外からの日本への観光客の数が、台湾、韓国、中国といったアジアをを中心に増えています。特に今年は政府・観光庁が推進している「ビジット・ジャパン・キャンペーン」訪日外国人旅行者1000万人達成目標!に向けて、盛大にプロモーションにも力を入れていることなどもあって、その効果が出てきていると言えそうです。

観光庁の2013年11月時点の発表によると、特に今年7月より観光ビザの免除が始まったタイとマレーシアにおいて1ヶ月あたりの訪日旅行者が過去最高を記録したほか、中国、台湾、香港、シンガポール、ベトナム、フランスからの外国人旅行客が10月としては過去最高となったそうです。特に、ベトナムは昨年1月以降22ヶ月連続して、タイは昨年4月以降19ヶ月連続して、台湾、香港、マレーシアは本年2月以降9ヶ月連続して、それぞれ毎月の過去最高を更新している(※日本政府観光局JNTO11/20プレスリリースより)など、アジアからの外国人旅行者が非常に増えていることがわかります。

来日する外国人旅行者、7割以上がアジアから!

で、そもそも日本へ来る外国の方って、どこから来られる人が多いのでしょう?と、疑問に思ったので、調べてみました、地域別の外国人旅行者比率。じゃーん!こちらです!

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昨年2012年(平成23年)度の訪日外国人旅行者数の総数は、835万8105人。そのうちの7割以上の638万7977人、76.4%がアジアからなんですね〜!日本はアジアの一員ですし、近隣諸国はみなアジアだから当然といえば当然の結果かもしれませんが、7割以上とは個人的には驚きでした。そりゃ政府・観光庁もこの方たちを放っておくわけにはいかない、というのはグラフをみるとよくわかります。

来日旅行者総数もここ10年でこんなに増えた!

ちなみに、ここ10年の訪日外国人旅行者数の推移はこんな様子。(平成24年度版観光白書より抜粋)

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2013(平成25)年は、今年10月の段階で過去最高の2010(平成22)年に迫る勢いなので、おそらく今年が過去最高の旅行者数になることは間違いがないと思われます。2020年の東京でのオリンピック開催のニュースもありましたし、今後ますます海外からの旅行者が日本に来られることでしょう。

日本に来る観光客数ベスト10はどこ?

ちなみに、訪日旅行者国別ランキングはこちら!(平成24年度版観光白書より抜粋)

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1位は韓国で204万人、2位は台湾、3位は中国という結果。
ランキングベスト10は、アメリカ合衆国を除いてすべてアジア諸国なんですね〜

ここで注目すべきは昨年と比較しての増加率。タイの昨年比180%をはじめとして、軒並みものすごい勢いで増えています。ビザ緩和の施策は、国単位での政策や思惑がありますから、こうした措置は、海外からの旅行客を受け入れるゲストハウスひとつがどうこうできるものでもありませんし、とても追い風になっている、ということがわかります。

ゲストハウスの客層にも変化があった?

では、実際、ゲストハウスに来られるゲストの国籍はどう変化してきているのでしょうか?そんな統計はどこを探しても出てきませんので(笑)編集長の実感と数人のゲストハウスオーナーさんに聞いてみたところ、やはりタイ・マレーシアからのゲストは増えている、という声が多かったです。

実際、先日宿泊させていただいた飛騨高山や金沢のゲストハウスでは、海外ゲストの国籍がドイツ、タイ、ベトナム、アメリカでした。ベトナム人のバックパッカーがいるんだ!とちょっと驚いたんですが、このランキングを見ると納得、ですね。各国の経済成長とともに海外に旅をすることができる余裕のある層も増える、ということがわかります。

タイからの旅行客の爆発的な増加は、もちろんビザの緩和策もありますが、タイでは北海道を舞台にしたドラマがヒットし話題になった(タイ国内での検索で「北海道が1位」)他、日本各地の観光協会などが独自にタイ国内でキャンペーンを行うなどの地道なプロモーションも功を奏しているのでしょうね。

今後増える旅行者はこの国から!?

また、ここ最近来日する観光客の比率が増えている国を調べてみました。

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結構意外?な国がランキングしていますね!みなさんはどのように感じられましたか? ゲストハウスで出逢う旅人たちの国籍調査、なんていうのがあったらこのランキングとどの程度似ていて、どの位違うのか?など、興味はつきません。ゲストハウスプレスで一度じっくり調査をしてみたくなりました。

 

ゲストハウスに宿泊するゲストは、今まではホステル文化が成熟しているヨーロッパやアメリカからの旅行者が多い傾向があるように思われましたが、これから先、現在はまだ団体旅行中心のアジア各国からの旅行者も、リピートするにつれ、個人で海外旅行をするアジア圏の旅行者も確実に増えていくはずです。

 

これまで以上に世界中からのゲストが集う場所になる日本のゲストハウス。海外へ出てじっくり長期で旅をすることが出来なくても、日本国内で世界中の人たちと出逢え、友人になれる機会がゲストハウスにはあります。旅をするわたしたちも、ゲストを迎える宿のオーナーにも、まだまだいろんな楽しみ方や可能性を考えられるチャンスがたくさんあるのではないでしょうか。

Written by

西村祐子 / ゲストハウスプレス編集長  : 「好きなことをして生きる」を実践するべく活動するライフクリエイター。2017年より神奈川の海辺から大阪にUターン。現在はあたらしい旅と暮らしの発信基地Wanderers!の運営をはじめ、 旅にまつわるさまざまな事業プロデュースを行っている。http://moanablue.com/life